ひゅうっ

そういって気付いたときには目の前を瞬時白いものが横切った。
「…――!!」

誰かが声にならない叫びを上げた。

っ!!」

私に向けた、ものだった。

「…野球部?」

声を聞いてから、気付いた。



「悪ぃな、手滑らせちまって…」
「珍しいね、武ちゃんはそんな事殆ど無いのに。」
「よそ見しててさ、ついそっちやっちまったんだよなー」

ははっ、と明るく笑う武ちゃんこと山本武はさっきの白いもの、つまりは野球用のボールを投げてよこした本人だった。
野球部のエース、我が幼馴染。

「でも当たらなくてよかったぜ、結構あのボール硬いもんなー」

武ちゃんが投げると半端無いダメージ付きで当たるだろう。それほどまで危険ともいえるが、コントロールも上手い彼
には普通そんな心配はいらない。

「間一髪だったね」

私がクスクス笑うとホント悪いな、、とすまなそうに、でも明るく笑った。責めているつもりは無いが、武ちゃんは内
心でちょっと自分にむかっ腹を立てているかもしれない。負けず嫌いは自分自身も対象になるらしかった。

「ねぇ武ちゃん」
「ん?何だ?」
「なんでよそ見したの?」
「えっ」

明らかに気まずい方の顔になった。結構ハッキリした表情の変化がある武ちゃんは分かりやすい。別に、後ろめたい
事なんか1つも無いのだろうが。

「キャッチの相手、いたじゃん」
「うん」
「その後ろに、お前見つけちゃってさ」
「む。」
「もう帰りかなー、なんて思っててそっち投げちまった」

なんて、素敵な話だろうか。また、クスクス笑った。

「…なんだよ」
「私がボール投げようとしたときに武ちゃんがいたら全力で投げつけちゃおーと思って。」
「なっ、お前〜っ」


ふざけていられるのは、幼馴染のときだけ。






いつか、気付くその名前。











************************************************************************************

わほっ(何
武くんが可愛く見えてきた(馬鹿野郎)
つーかユキがかわいくなってきた(えぇぇ)。キャラが違うっていいますか。
あと、まだ知られていないけど(デフォの人は知ったかな)ユキの苗字は「マックスウェル」。まぁ、日本では「山本」なのですが。
お題集を載せれば理由がわかるんですが、まだ更新してないですし(汗

気付く名前…そう、恋!!(いっぺん死んで来い








08/12/30