ずっとずっと願っていた
死んじゃえばいいのよ
吐き捨てたけど
バーカ
誰が死ぬかよ
絶対死んでやらねぇよ
人の体温を初めて知ったかもしれない
そう思った
ねぇ
貴方が死ななくても私は死んでしまうわ
ねぇ
私は死んでしまっても貴方は生きているわよね
ねぇ
そしたら私は貴方に遺言を残してあげなくちゃ
ねぇ
そしたらどうしようかしら
本当にいなくなった時は、流石にショックを受けた。
否、いなくなってはいない。そこにある。
外傷1つ無く、そこで眠っていた。
起きはしない眠りについていた。
顔はいつもと変わらなく無表情で苦しそうだった。
読んでね
たった一言走り書きされたメモ。
何処の何とも書いてはいない。それでも俺にはわかる。
行けば開放されたままで、閉鎖されているのかと思っていたため安堵した。
踏み込めば同じ香りがする。消えてくれないのか、これは。
見つけてくれてありがとう
そんな言葉で始まったそれ。
当然だろう、俺を誰だと思っている。
ホトトギスの花を覚えているかしら
私がまだまだ幼かった頃に我侭を言って貴方を困らせたわね
そしたら貴方ったら本当にホトトギスの花を私に持ってきてくれたわ
次言ったら覚悟しろよ
そう威されて泣きそうだったんだから
でも貴方はあのお花を知らなかったのに
ヒトにわざわざ聞いてまで取ってきてくれたんだもの
隠れていたのかもしれないけどバレバレよ
でもとても嬉しかったの
貴方が命令でもなく誰かのために
いいえ誰でもなく私のために
命がけだったんだもの
ねぇ貴方は知らなかったわよね
ホトトギスの花言葉って聞いたことあるかしら
あっても気にしないんでしょう
貴方だもの
でも知って欲しいわ
だって私が我侭を言ったのも貴方にあげるためだったのよ
ホトトギスの花言葉はね
その後の一言は俺の知らない言語だった。
仕方ないので分かるやつに訊きに行く。
当然、内容を見せる気は更々無いので別紙に写したが。
訊きに行ったそいつは笑って答えた。
あぁ分かるよ
でも俺から言うべきじゃないね
そう返されて訳が分からなかった。
これお前宛の何かに書かれていただろ
だったらなんだ
やっぱりな
仕方ないから教えてやろう
そいつは俺の知っている言語に書き換えた紙をよこした。
部屋で見ろ、という言葉とともに。
翻訳されたその言葉をじっと見ていた。
別に、何かが飛び出てくるわけではないが。
周りはとっくに色褪せた。
永遠に貴方のもの
ホトトギスの花言葉、そっくりそのままお前に返すよ。
返した返事は堂々巡り
返し返されまた返す
飽きないヤツだと溜息ついたら
ついた方が負けだから
悔しかったらこっちに来なさい
あら来れないの
仕方ないから待っててあげる
でも溜息ついたら負けだから
きっときっと私は貴方に勝てるわよ
早い内にお手上げしちゃいなさいよ
じゃないと貴方に悪戯しちゃうんだから
返した返事は堂々巡り
返し返されまた返す
想いの言の葉堂々巡れ
最後は私に
勝利をお告げ
恋愛ゲーム
*****************************************************
08/06/04
自分の中では、実はこれが最高傑作(笑
な、なんか悲しー…
恋愛ゲーム
|