任務先、その空間には2人きりだった。
本当はもっといたけど、それはもう死んじゃってるから数えない。
自分じゃない方で生きてる奴は自分同様、死体に対して何とも思っちゃいないらしい。

折角2人きりなんだから当然のように何でもし放題で、もう1人の生きてる奴に声をかけたらうるさい、って舌打ちされ
た。
どうせ他に生きている奴がいないんだから良いじゃん、って不貞腐れたら何だよ、と受け答えした。
会話、出来るじゃないか。

会話できるなら、たった一言だからと言ってみた。



「…馬鹿」
「失礼だな、話題を作ってあげたのに」
「それは話題の提供じゃねーよ」

一世一代の勇気なのに、もう1人の生きてる奴は半ば無視したようなもんだ。
否定されたよ。

「…そういうのは俺から言わせろよ」
「やだね」

お互い譲らないのはたった一言の、言葉のせい。



彼と彼女の黙示録



その譲れない始まりは「愛してる」
素直じゃないからこそ自分から言いたいんだ。













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08/05/15

ブログに載せたこともあるという恐ろしいSSサイズ。
ボクはホントに怖いもの知らずだねぇ





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